変形性膝関節症の検査、いつどんなことをするの?
変形性膝関節症が疑われるのは、朝の起床時にひざに違和感を感じ、ひざに力を入れたときに少々痛む場合などです。これらの初期症状が起きたら、ぜひ早めに病院を受診することをおすすめします。病院では、様々な検査を行って、ひざが今どのような状態なのかを調べ、ダメージがあれば、その程度を詳しく調査していきます。そして、症状の進行具合に応じて適切な治療を行います。
それぞれの検査の内容と、受ける時期は?
では、検査にはどのような種類があり、それぞれいつ、どのように行われるのかを見ていきましょう。
問診・触診・歩行の確認
初診時に必ず行われることです。いつから、どのくらい、どのような場面で痛むのかなどをお医者さん医師から質問を受けたり、直接ひざを触ってもらい、赤みや熱のもち具合や変形の有無、水がたまっていないか、関節がぐらついていないかなどを確認してもらったりします。また、実際に歩いて歩行状態が確認される場合もあります。
レントゲン検査(X線検査)
- 出典:[日本整形外科学会]
初診時や、変形性膝関節症かどうか、進行の具合を見るときなどに行われます。ひざ関節を中心に足全体をレントゲンに写し、関節内のすき間や欠損、骨の突出の有無、変形の異常がないかなどを確認します。
MRI
レントゲン検査とは異なり、磁気を用いた画像検査です。軟骨や半月板、靭帯の損傷具合、水がたまっている量などがより詳しく分かります。レントゲン検査では分かりにくい部分をさらに詳しく知りたい場合や、手術を行うかどうか検討するときに使われます。
関節貯留液の検査
ひざに水がたまっているときや、炎症で腫れているときに行われる検査で、注射器で抜いた関節液を調査するものです。これにより、半月板や靭帯が損傷しているのか、それとも、慢性関節リウマチや通風かどうかなど原因となる疾患を突き止めたり、細菌感染の有無などを調べたりできます。
血液検査
変形性膝関節症だけでなく、他の病気が疑われる場合に行われます。血液内の成分を検査することで、細菌感染による関節炎や、関節リウマチなどの可能性があるかどうかを調べることができます。
関節鏡検査
関節鏡と呼ばれる小さなカメラを直接ひざ関節内に挿入する検査です。ただ、検査のみで行われることはほとんどありません。通常、半月板を部分的に切除する間接鏡手術を同時に行うことが多いため、きちんと病態が確認され、診断された後に行われることになるでしょう。
- 知恵まとめ
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- 変形性膝関節症の検査は、症状や進行具合で受けるものが異なる
- 初期の場合、問診・触診・歩行の確認、レントゲン検査などが行われる
- より詳しく調べる必要がある場合に、MRIや血液検査、関節貯留液の検査などが行われる