変形性膝関節症と無関係ではない?!
サルコペニア肥満は加齢と運動不足によって起きるもので、一見ひざの痛みとは関係ないように思えます。しかし、実際は深くかかわっているのです。なぜなら、加齢によるひざの痛みの代表的な病気である変形性膝関節症の主な原因としていわれているのが、肥満や運動不足だからです。普段から運動不足なのにもかかわらず、ひざが痛み始めるとさらに動きたくなくなるもの。するとますます脂肪の蓄積と筋肉の衰えが進んでしまうのです。よって、サルコペニア肥満と変形性膝関節症は、むしろ深い関係にあるということができます。
サルコペニア肥満のチェック方法
こう聞くと、「自分もサルコペニア肥満なのでは?」とちょっと不安になってしまいますよね。そこで、自分でできる簡単なチェックを行ってみましょう。
筋肉をチェック!
・片足で立った状態で、靴下がはけるか ・片足を床から10cmほど上げて立った状態を60秒キープできるか(手は腰に当てる) ・椅子に座った状態から、片足だけで立ち上がれるか
肥満をチェック!
・ ご飯やパン、パスタなどの炭水化物が好き ・ 肉や魚、卵、大豆などのたんぱく質をあまり食べない ・食事制限の激しいダイエットをしたことがある
サルコペニア肥満、どうすれば予防・改善する?
もし一つでも当てはまった方は、サルコペニア肥満や、その予備軍の可能性が高いです。そこで、サルコペニア肥満の代表的な予防・改善方法を知っておきましょう。
筋トレ・体操
- スクワットは背中が丸まらないように意識するのがポイントです
筋肉の衰えを防ぐには、筋肉を使うことが必要不可欠。でも、なかなか億劫でやる気がしないという方は、ぜひ簡単な運動から始めてみてください。特に筋肉は下半身に多く集まっているので、次のような下半身の筋肉に効果的な筋トレがおすすめです。
●スクワット 足を肩幅に広げて立ち、ひざが90度になるようにお尻を後ろに突き出して曲げ、ゆっくりと立ち上がります。これを1日に10回程度行いましょう。ひざに負担がかかるのが心配な場合は、椅子の背もたれなどに手をかけながら行うと楽にできます。 ※ひざが痛い方は控えてください。
●椅子に座って足を伸ばし&もも上げ 椅子に座った状態で、ひざを伸ばしたり曲げたりします。また、ひざを曲げて普通に座った状態で、片方ずつゆっくり太ももを上げて下ろします。それぞれ、1日30~40回程度を目安に行いましょう。
食事
- 筋肉をつくるタンパク質を意識的に食事に取り入れましょう
食事では、脂肪の原因となる炭水化物の量を見直し、たんぱく質を意識して摂取しましょう。たんぱく質は筋肉の材料となる栄養素なので、とても重要です。たんぱく質に含まれるアミノ酸「BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)を含んだ赤身の肉や魚、牛乳、大豆製品などがおすすめです また、他にも卵や鶏ささみなどが栄養の優れた最適な食品といえるでしょう。
サルコペニア肥満は、未然に防ぐことができますし、ひざの痛みの改善にもつながります。ぜひ少しでも気になる方は、予防・改善策に取り組んでみてください。
- 知恵まとめ
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- サルコペニア肥満は変形性膝関節症と密接にかかわっている
- サルコペニア肥満かどうかは、片足立ちや食事内容でチェックできる
- 簡単な筋トレや食事の見直しから予防・改善することができる