ひざの内側が痛むのは、なぜ?
ひざの痛みが内側で起きている場合、関節内の軟骨や半月板などの組織が損傷したり、炎症を起こしたりしている可能性があります。このような病気には、変形性膝関節症をはじめとして、次のような種類があります。
ひざの内側の病気
変形性膝関節症(へんけいせいひざかんせつしょう)
関節の中でクッションの役割を担う軟骨への過度の負担や老化により、弾力が失われたりすり減ったりして、ひざ関節の痛みや曲げ伸ばしの制限、骨の変形、水がたまる、関節が変形するなどの症状が出る疾患です。加齢の他、肥満やケガなどが原因のこともあります。
半月板損傷(はんげつばんそんしょう)
半月板とは、ひざ関節にある、C型の半月の形をした2つの板のことをいいます。この半月板が損傷することによって、ひざの曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかり感を生じたり、ひざに水がたまったり、急にひざが痛くなって動かなくなる「ロッキング」という状態になります。原因は、ケガや加齢といわれています。
内側側副靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)
ひざには、4種類の靭帯があり、その一つが「内側側副靭帯」という名称です。内側とは、両足のひざとひざがこすれあう部分に位置する内側です。ひざ関節が内側の方向にねじれたり、負担をかけすぎたり、強い衝撃を受けたりすると損傷し、痛みや腫れ、ひざが不安定になるなどの症状が起きてきます。
滑膜炎(かつまくえん)
ひざ関節の中には、滑膜(かつまく)と呼ばれる組織があり、関節内の水分である関節液を生み出しています。この滑膜は、軟骨や半月板が損傷するなど異常が起きた場合に炎症を起こします。これが滑膜炎です。症状は関節液が多く生み出されることでひざが水で腫れ、曲げづらさや重さが生じてきます。
がそく炎
がそく部という、ひざの内側にある3つの細い筋肉が付着している部分が、炎症する疾患です。ひざの曲げ伸ばしやひねりなどで、がそく部で腱や骨などがこすれることによって起きます。変形性膝関節症に伴って発症することがあります。
タナ障害
タナとは、ひざ関節の中にある「滑膜ヒダ」のことで、ここが炎症を起こすとひざ関節に痛みが生じます。また、ひざの曲げ伸ばしの際にひっかかり感があったり、パキンという音が鳴ったりするのも特徴で、一般的には10代の女性に多く見られます。
- 知恵まとめ
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- ひざ関節の内側に痛みが起きる疾患にはいくつか種類がある
- 主にひざ内部の軟骨や半月板などの組織の損傷や炎症などが原因
- 変形性膝関節症、半月板損傷などの疾患がある