人工関節の寿命は?
人工関節の寿命は、手術を受けた患者さんの状態によりますが、だいたい平均15年~20年ほどだといわれています。人工のものであるからこそ、いつか限界がくるのは当然のことですが、寿命があると聞くと少し驚きですね。 ただ、手術自体は、1~2時間程度で済み、早い人で手術した当日や、翌日からリハビリをスタートできます。リハビリは退院後も継続する必要がありますが、入院期間は2~6週間程度です。大がかりな手術になるとはいえ、この一定の期間を乗り越えれば、人工関節は20年もの。そう考えると、長くも感じられます。
人工関節は10年以上経過しても入れ直す人はほとんどいない
ちなみに、この人工関節は寿命が来たら入れ直すことになりますが、10年以上使い続けても実際に人工関節を入れ直すという人は、ほとんどいないといわれています。いても10%くらいのわずかな割合になっています。
人工関節をより長持ちさせるには、日常生活やスポーツなどの際に、ひざへの負荷をできるだけかけないようにすることです。ただ、一般的な普通の生活をしていれば、10年~20年は持つといわれているので、あえて動きを制限するよう必要はないといわれています。寿命を心配するよりも、むしろ、人工関節で痛みなく歩けるようになる喜びのほうが勝りそうですね。
人工関節のゆるみや骨髄炎、血栓症などに懸念
ただし、人工関節にも弱点があります。人工物なので、動かしているうちに、骨と人工関節との間がゆるんでしまい、やがて人工関節が壊れてしまう可能性があることです。 また、感染による炎症「骨髄炎」や、足の静脈に血栓ができる「血栓症」が起きたケースもあるといわれていますが、これらについてはすでに予防策がとられていますが、用心するに超したことはないでしょう。
もし人工関節の寿命が来ても、再度手術を受ければ解決します。15~20年後には、きっと人工関節手術自体も進化していることでしょうし、他にも有効な再生治療法が登場しているかもしれません! 今のところ、安心して人工関節の手術を受けて良さそうです。人工とはいえ、自分の毎日の生活を支えてくれる大切な存在。その寿命が来るまで大事に使い続けたいものですね。
- 知恵まとめ
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- 人工関節の寿命は、一般的に15年~20年
- 人工関節の寿命を長くするためには、負荷をかけないこと
- まれに、人工関節のゆるみによる破損や炎症、血栓症などの恐れもある