運動や薬よりも、ひざ痛サプリメント?
- サプリメントの栄養成分に注目!
ひざの関節の痛みに悩まされる方が多い中、近年、サプリメントが登場しています。ひざの痛みの治療方法としては、減量や運動、装具、薬物療法などがありますが、サプリメントでもひざの痛みが軽減されるというのは本当なのでしょうか?
ひざの痛みに効くサプリメントの成分
一般的に、ひざの痛みに効くといわれているサプリメントには、主に次の3つの成分が含まれています。
グルコサミン
軟骨(なんこつ)を作る成分です。もともと人の体内で作られるもので、軟骨や爪、靭帯などに存在しています。ひざの痛みの原因のひとつに、関節の軟骨が削られて炎症を起こす「関節炎」がありますが、グルコサミンは、その関節炎の痛みをやわらげる効果が報告されています。 ヨーロッパでは関節炎の治療薬としても使われてきた経緯もあり、安全性も確認されています。
コンドロイチン
グルコサミンと同様に、もともと人の体に大量に存在している成分です。水分を保ったり、弾力を与えたりする効果があります。コンドロイチンは関節の軟骨に多く存在していますが、加齢と共に減少します。不足すると関節痛や腰痛につながります。そんなとき、コンドロイチンを摂取すると、ひざ関節の軟骨に水分と弾力を補い、軟骨を修復してくれるといわれているのです。 また、グルコサミンとコンドロイチンは、セットでサプリメントになっていることが多いですが、その理由は、同時に摂取するとより効果が高まるからです。
フラン脂肪酸
炎症を抑える効果のあるサプリメント成分です。研究上では、リウマチの炎症を抑制する効果も確認されています。緑イ貝(ムール貝の仲間)に多く含まれているものの、それでも含有量が少なく貴重な成分です。
サプリメントの効果は実証されている?
では、果たしてこの軟骨を修復するというサプリメントは、本当にひざ関節の痛みに効くのでしょうか? 実は、医学的にはこのサプリメントの効果は証明されていません。「グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントを摂取すれば、軟骨が増える」ということはないと言われているのです。 ただ、サプリメントを摂取して、痛みが楽になったという人がいることは事実です。
サプリメント成分は食べ物でも摂取できる
グルコサミンやコンドロイチン、フラン脂肪酸は、重い副作用もなく、安全性も確認されていますので、摂取したい場合は摂取しても問題ありません。また、グルコサミンやコンドロイチンは、鳥皮や軟骨、魚の皮、山芋、オクラなどのヌルヌルした食品に、フラン脂肪酸は魚や貝に多く含まれています。バランスを考えてこれらの食品から摂取するのもいいでしょう。
ひざの痛みを改善する栄養素
その他にも、ひざの痛みを改善するといわれている栄養素があります。例えば、ビタミンB1、B6、B12です。これらは神経の働きと密接に関係しているため、痛みの軽減につながるといわれています。
ビタミンB1には、炭水化物などから分解されたブドウ糖を、神経細胞のエネルギーに変える働きがあります。ビタミンB6は、神経伝達物質を作るために必要なので、不足すると神経機能に支障が出る可能性があります。ビタミンB12は、神経細胞の修復に作用するといわれています。
これらの栄養素は、神経の機能を正常に保ってくれるので、きちんと摂取することで、ひざの痛みの改善に大きく作用します。痛みに悩まされている方は、ぜひ意識的に食品やサプリメントから摂取しましょう。
ひざの痛みに効果的な栄養を多く含む食品
ビタミンB1:レバー、豚肉、にんにく、玄米ご飯など
ビタミンB6:レバー、さんま、まぐろ、バナナなど
ビタミンB12:かつお、レバー、チーズなど
- 知恵まとめ
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- ひざの痛みに効く成分はグルコサミン・コンドロイチン・フラン脂肪酸!
- サプリメントは医学的には効果は実証されていない
- ビタミンB1、B6、B12は神経機能を正常化するので、ひざの痛みの改善に◎