ひざ関節の軟骨ってどんな成分で成り立っているの?|変形性膝関節症コラム

ひざ関節の軟骨ってどんな成分で成り立っているの?

ひざの痛みは、関節の中の軟骨に関係しているというのをなんとなく知っているという方は多いでしょう。けれど、実際は軟骨にどんなものが含まれていて、どんな働きをしているのかを知っている人は少ないのではないでしょうか。そこで、ひざ関節の軟骨成分についてちょっと詳しく見てみましょう。

ひざ関節の軟骨の成分 その含有量を知ろう

ひざの関節に注目

ひざ関節の軟骨には、水分、プロテオグリカン(高い保湿力や細胞を増やす能力を持つ成分)、コラーゲン、その他の糖質や脂質、たんぱく質などが含まれています。その含有量を見てみると、最も多いのは、80%を占める水分で、コラーゲンは12%プロテオグリカンは2%になっています。水分がほとんどの割合を占めるというのは意外ですね!

関節軟骨はこんな構造になっている!

ひざ関節イラスト
出典:[膝の痛み、膝の水、変形性膝関節症治療の専門 膝の痛み教室]

もう少し詳しく関節軟骨の中身を見てみましょう。 関節軟骨は、太ももの骨とすねの骨をつなぐ境目に存在しています。骨の先端を覆っているのをイメージするとわかりやすいでしょう。その厚さはわずか3~5mmほどコラーゲン線維が網の目状になって軟骨細胞の骨組みの役割を果たしており、その内部にプロテオグリカンが絡みついている構造になっています。

ひざ軟骨の構造
出典:[膝の痛み、膝の水、変形性膝関節症治療の専門 膝の痛み教室]

プロテオグリカンやコラーゲンの減少が痛みの原因に

ひざ関節の痛みは、このプロテオグリカンが減ることによって起きてきます。プロテオグリカンには、軟骨内の水分とくっついて、歩いたりひざを曲げたりするときに関節にかかる圧力をうまく分散して吸収する働きがあります。しかし、ひざ関節に多大な負担がかかったり、関節軟骨の表面の損傷や劣化が起きたりすると、軟骨が変形してきてしまいます。 すると、コラーゲン線維が壊されることでプロテオグリカンが減少。今度は関節軟骨がすり減ってきます。やがて関節痛が生じてくるのが、「変形性膝関節症」です。

関節軟骨を補う成分が症状緩和や治療に利用されている

この関節軟骨に含まれる成分を補うために、サプリメント摂取や注射による注入が行われます。コラーゲンはもちろん、プロテオグリカンの再生を助ける「グルコサミン」や「コンドロイチン」、プロテオグリカンやコラーゲンをしっかりと定着させたり、保水力を発揮したりする「ヒアルロン酸」などがよく症状緩和や治療に利用されています。

関節軟骨の成分は、まさに私たちの関節を守る大切な働きをしてくれています。ひざが痛くなるしくみを知ると、どんな成分を取り入れれば良いのかもわかりやすくなったことでしょう。ぜひ改善にお役立てください。

知恵まとめ
  • ひざ関節の中には関節軟骨があり、水分やコラーゲン、プロテオグリカンで構成されている
  • 関節軟骨の成分が失われることでひざ関節の痛みにつながる
  • 関節軟骨の成分の働きを助ける成分を補うことで症状の改善や治療が行われている

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