変形性膝関節症の症状「拘縮」の原因と予防法|変形性膝関節症コラム

変形性膝関節症の症状「拘縮」の原因と予防法

拘縮(こうしゅく)は、ひざに鈍痛を持たらす、やっかいな症状。変形性膝関節症に代表される、ひざの痛みの初期症状・炎症が治まってきた頃に現れる拘縮の原因と意外な発生源、予防法について解説します。

ひざ関節の運動不足が最大の原因

拘縮がおきる原因はズバリ、ひざ関節を動かさないこと。運動不足にあります。ひざにちょっとした違和感や痛みを感じた段階で「痛いから……」といって動かさなくなると、関節を包む滑膜(かつまく)や筋肉がどんどん硬くなって、拘縮の症状を悪化させます。もちろん無理をすることはよくありませんが、脚を動かすことを止めて安静にした状態が長く続くと、ひざが「もう、ここまでしか関節を動かさなくていいのか!」と記憶してしまいます。その結果、元々の身体機能が損なわれ、動かせる範囲(可動範囲)が狭くなっていくのです。

拘縮が起きると歩きづらくなる

拘縮は変形性膝関節症の中期段階で、多くの患者さんに現れる症状です。関節が不自然に伸び、ヒョコヒョコ歩きになっている高齢者をよく見かけと思いますが、そんな方のひざの中では、ほぼ100%拘縮がおきています。このように拘縮は、歩き辛くなるやっかいな症状ではありますが、滑膜(かつまく)や筋肉が硬く強ばるだけで、損傷しているというワケではありません。そのため、拘縮が痛みを発生させるメカニズムは長年、不明でしたが、近年の研究で痛みが生じる理由が明らかになりました!

ひざは、なるべく動かす方が良い

拘縮はひざを動かさないことで起きるので、いちばんの予防法は、痛みはじめた関節を甘やかすことなく、適度に動かし続けることです。変形性膝関節症の初期段階では炎症がおきますが、この時のひざの状態はさほど悪くはありません。冷感湿布消炎鎮痛薬アイシングなどで痛みを抑えつつ、様子をみながら積極的にひざを動かしましょう。もし、炎症の段階でひざを動かすことを止めてしまえば関節疾患の中期段階である拘縮に進んでしまいます。しかし、適度にひざを動かせば可動域が狭まることもなく、ひざが丈夫になり、初期症状が治まっていくこともあるのです。

ひざの曲げ伸ばし運動で、拘縮を予防!

関節トレーニング

出典:生活習慣改善で『ひざ関節の痛みを予防!』


ひざの可動域をキープする具体的な方法としては、ひざを深く曲げ伸ばすことがおすすめです。例えば、「イスに深く腰掛け、脚の裏が地面に付いた状態から、すねが太ももと一直線になる状態までつま先をあげる」などの簡単なストレッチで充分です。また、ひざの状態がよくなってきたら、ごくゆっくりしたスピードでスクワットをしてみるといいでしょう。体は動かすことで、その機能を保つように作られています。無理のない範囲でひざの曲げ伸ばし運動などを行なって、拘縮知らずの健やかなひざを手に入れて下さい!

知恵まとめ
  • ひざを動かさず、安静にし過ぎると拘縮(こうしゅく)がおきる
  • 拘縮で痛みを感じるのは、ひざの皮膚が痛みに敏感な状態に変化するため
  • ひざの曲げ伸ばし運度が、症状の悪化を食い止め、丈夫なひざを作る
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