ひざの痛みの治療法「幹細胞注入」とは?
ヒアルロン酸注射にとって代わるといわれている新治療法「幹細胞注入」。今、広島大学病院で行われている治療が大きな注目を集めています。この幹細胞注入とは、果たしてどのような治療法なのでしょうか?
ひざの痛みの最新治療法として注目される「幹細胞注入」
現在、ひざの痛みに対する治療法についての研究が進む中、特に注目を集めているのが、「幹細胞注入」。自分の体にある幹細胞を、ひざの関節内のすり減った軟骨部分や半月板などに移植することでひざを回復させる方法です。 ひざの痛みの原因のほとんどは、ひざ関節にある軟骨の摩耗だといわれており、「変形性膝関節症」と呼ばれます。幹細胞注入は、この変形性膝関節症の新しい治療法です。
ヒアルロン酸注入に変わる治療法
とはいえ、変形性膝関節症といえば、ヒアルロン酸注入が主な治療法となっています。しかし、ヒアルロン酸を注入することは、痛みが抑えられるだけで、根本的な治療には至りません。これに対して、幹細胞注入は、ひざの軟骨が修復される治療法です。 また、ひざのクッションの役割を果たしている半月板と呼ばれる部分が損傷したり、切れてしまったりすることがありますが、修復はむずかしく、切除することが多い中、幹細胞注入なら修復することができるといいわれています。 また、自分の体の細胞内から採取して使用することから、拒絶反応が起きにくく、安全性も確認されています。
広島大学病院の手術が話題になりました
この幹細胞注入の事例で、最近最も注目されているのが、広島大学病院での治療です。2015年2月に、広島大学病院整形外科の越智光夫教授グループが、幹細胞をひざ関節に注入し、磁気によってすり減った軟骨部分に誘導する治療を、世界で初めて実施しました。この手術では、注入された幹細胞によって軟骨が修復され、再生することできるといわれています。 この広島大学の研究や手術を皮切りに、今後多くの病院でこの幹細胞注入が行われる日は近いかもしれません。
- 知恵まとめ
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- ひざ関節の痛みに対する最新治療法「幹細胞注入」が今注目されている
- 自分の体の細胞にある幹細胞を、ひざ関節内部の軟骨や半月板に移植する方法
- 最近、広島大学病院において、磁気で幹細胞をひざ軟骨部分に誘導する手術が行われた