年間8万人がひざの痛みを原因に人工関節施術?!

年間8万人がひざの痛みを原因に人工関節施術?!

今回は、重篤なひざの痛みを抱える方が受ける人工関節置換施術にまつわる様々な統計データをご紹介。年間の総患者数や、術後の満足度などの数字から、人工関節置換術にまつわる様々な事情が見えてきました。

国内のひざ関節疾患の患者数は800万人

現在、ひざに何らかの疾患を抱えている方は国内に800万人(!)以上と言われています。なかでも、症状が重篤な方が選ぶ、「関節疾患の最後の砦」とも言える治療法が人工関節置換術です。

人工関節置換術の総患者数は?

国内で人工関節置換術を受ける総患者数は、年間で約8万人程度とされています。この手術件数は年々増加傾向にあり、2005年からここ10年間でおよそ2倍に増えています。 また、関節の一部だけを取り替える部分置換型の手術件数も増えているようです。 ただ、日本はこれでも人工関節を受ける患者割合が少ない「人工関節後進国」で、例えば、アメリカだと、総患者数に対して日本の約4倍以上の割合の患者が人工関節置換術を受けています。このデータの背景には、傷跡が残ったり、人工物を体に入れることに抵抗を感じる日本人特有の性質があるといわれています。

人工関置換術後の満足度は?

ひざの手術
大手術をしても、痛みが取れなかったら悲惨です

痛んだ関節を切り取って物理的に痛みを取り去る人工関節置換術ですが、実は手術しても100%痛みが消えることはないようです。実際、術後の満足度調査では、約3割の方が「痛みがとれなかった」と答えています。これは、長い間、変形性膝関節症などを患っていた関節が、痛みの記憶を引きずっていることや、人工物ゆえに元々の生体組織と馴染まず、曲げ伸ばしをする際に痛みが生じてしまうことなどが原因です。 人工関節置換術は体への大きな負担を伴う外科治療ですから、3割の方が満足されていないという現実は、少し怖く感じますね。

人工関節施術のリスクや弊害

3割が満足していない他にも、人工関節置換術のリスクに関する様々なデータがあります。術後の弊害や、原則、高齢者にしかすすめられない事情を紹介します。

関節に細菌が入り爆発的に急増

人工関節の最大のリスクともいえるのが、関節に細菌が巣食って爆発的に増えてしまうことです。細菌の爆発が生きる確率は、1000人に2人~3人ぐらいといわれています。細菌が人工関節に巣食って大暴れする状態になると、人工関節を取り除き、感染している場所を洗い流す治療(持続洗浄やセメントビーズ留置)を行う場合が多いです。そしてその後、感染が落ち着いた時点で再度、人工関節置換術を行います。細菌は傷から入るだけでなく、虫歯や胃潰瘍などから血液に入り込み、人工関節に届いてしまう事もあります。そのため、普通の方以上に、細菌へ注意をはらう必要があります。

65歳以下は適応しない可能性が大

一般的に人工関節置換術をすすめられるのは65歳以上で、その理由は人工関節の耐用年数にあります。「人工関節は理論上、半永久的に使用できる」という医師もいますが、実際のところは不明です。そのため、基本的には耐用年数を考慮して手術をすすめますし、リスクが高い再置換手術を避けるために、「なるべく高齢になってから手術を受けてもらいたい」という医師の本音があります。

最後の砦と呼ばれるだけあり、人工関節治療は本当に痛みが重篤で65歳以上の方には非常に効果的。ただ、細菌感染や耐久年数などのデメリットもある人工関節置換術なので、それらの事情をきちんと加味してから治療を受けたいですね。

知恵まとめ
  • アメリカに比べ、日本の人工関節置換術患者の割合は低い
  • 治療を受けた3割に方が、効果に満足していないというデータも
  • 細菌爆発、再置換術の可能性も考慮することが重要

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